万年青の栽培の歴史は、日本文化の基礎が整ったと言われる室町時代に、生け花の花材として使われたことに始まります。
そして次に登場するのが徳川家康公です。
家康公は関東へ拠点を移し、天正18年(1590)に江戸入城。その16年後の慶長11年(1606)、江戸城の本丸がいよいよ完成しました。
本丸完成を祝い、三河の長嶋長兵衛が万年青を3鉢寄贈、公は大変喜ばれたとのこと。
ちなみに家康公に贈られた万年青は「永島(ながしま)」「吾妻鏡(あづまかがみ)」「烟草葉(たばこば)」という品種で現代に伝わっています。
以来、「引っ越し万年青」とも言い、転居の最初に万年青を運びこむことが開運の印とされ、また邪気を祓うため鬼門の方角に置かれました。